初凧祈願祭とけんか凧合戦
毎年5月の第4土曜日・日曜日に開催
田原凧まつりは、江戸時代中期から続いている子どもの誕生を祝う「初凧」と、江戸時代後期から
庶民の間で流行った「けんか凧」の、2つの魅力ある凧揚げを2日間にわたり開催する伝統あるお祭りです。
とは
東海地方は古くから凧揚げが盛んな地域でした。「初凧」は男の子が生まれたお祝いに親戚などから贈られた凧を、翌年の端午の節句にみんなで集まって揚げたのが始まりと言われています。近年では男の子に限らず、女の子の誕生にも「縁起物としての初凧」を作られる方が増えています。凧絵師により武者絵や歌舞伎絵などに子どもの名前が描かれ、一つひとつ丁寧に作られています。完成後は祈願祭も行い、立身出世を願いみんなで凧揚げをします。田原凧まつりでは初日の土曜日に「初凧祈願祭」と「初凧揚げ」が行われます。
田原凧製作の流れ
凧師と絵師で分担して丁寧に作りあげます。
-
- ① カンナ・ナイフで削る
- ② 分銅で測る
- ③ 計測版で計る
- ④ 骨を組む
- ⑤ 紙を貼る
凧師たち
-
- ① 墨線で描く
- ② 薄色から描く
- ③ 濃色で描く
- ④ 「祝」と「お子様の
名前」を入れる
絵師たち
-
ついに完成です!
完成した後は大事に
保管し、
祈願祭当日お客様にお渡しします。
田原凧を作りたい!興味がある!方は
注文・お問合せはこちら初凧の日に、申し込まれたご家族が集まり初凧祈願祭を行います。玉串奉奠後は、ご家族と初凧と一緒に記念撮影を行います。
記念撮影
とは
江戸時代後期から庶民の間で流行った「けんか凧」は、その名の通り互いの糸を絡ませ合い、糸の斬り合いをするものです。田原凧まつりの2日目に行われる「けんか凧合戦」では、凧糸に南京(ナンキン)と呼ばれるガラスの粉をつけて、田原独特の横長の凧を自由自在に操り、鮮やかな糸さばきでお互いの凧糸を切り合います。真上から突然襲い掛かる「急降下」や、猛スピードで左右に移動する「つばめ返し」など様々な技があり「うなり」と呼ばれる激しい音を響かせながら空中戦が繰り広げられます。その面白さからけんか凧は愛好家にも注目される凧です。
田原凧まつりでの戦い
田原凧まつりの二日目は「けんか凧合戦」。各チームが赤組・青組に属し、それぞれの陣地から凧をあげて戦います。糸を切り合う激しい空中戦は観る人も熱くさせます。
けんか凧のルール
けんか凧合戦は赤組と青組にわかれて行われます。上空で待機していた凧は、相手を見定めると
1対1で戦いを挑みます。計10回戦い、相手の糸を多く切った方が勝者となります。
「けんか凧の技」いろいろ
- ①急降下
- 真上から突然襲い掛かる
- ②つばめ返し
- 猛スピードで左右に移動する
- ③十八番切り
- ゆっくり様子をうかがい接近する
- ④千鳥の舞い
- 地面すれすれで戦う
田原凧の操作方法
伝統の田原凧には
二種類の操作方法があります。
90度横を向かせる「ワンキャン操作(下回転)」と180度回転させる「ツーキャン操作(上回転)」。
上回転させる操作時に、周りの空気を動かし風を起こします。
上回転をマスターすると、田原凧が一層面白くなり、けんか凧合戦も有利に戦えます。
-
①ワンキャン操作(下回転)
90度横を向かせる技 -
- スー(糸を出す)
- キャン(糸を1回引く)
- スー(糸を出す)
- GO~(糸をたぐる)
-
②ツーキャン操作(上回転)
180度回転させる技 -
- スー(糸を出す)
- キャンキャン(糸を2回引く)
- スー(糸を出す)
- GO~(糸をたぐる)
操作の方法から分かるとおり、大きな動きは必要ありません。
凧を引く強弱はありますが、少しの動きの操作で田原凧は動きます。戦場では、
上回転のツーキャンと下回転のワンキャンを、織り交ぜ操作します。
田原凧を作りたい!興味がある!方は
注文・お問合せはこちら
【解説】